宮本武蔵『五輪書』火の巻(1)のゆるい現代語訳です。戦いのときの立ち位置についてです。
戦う場所について
自分の立ち位置を知る。
これはとても大切なことですよね。
戦いのときの立ち位置には、
いくつかポイントがあります。
まず、太陽。
戦うときは、太陽を背にします。
もし無理なら、太陽が右手にくるようにしてください。
屋内の場合は…
ロウソクの灯りを太陽と考えます。
できればロウソクを背にしてください。
それが無理なら、ロウソクが右手にくるようにしてください。
それから…
戦いでは、より高い場所にいる方が有利です。
これは屋内の場合も同じです。
屋内には、上座と下座がありますよね。
上座を「より高いところ」と考えてください。
精神的な優位は、とても大切です。
戦いのコツは、むずかしい立ち位置に相手を追い詰めることです。
しかも、それを相手に悟られてはいけません。
いま自分がどこに立っているのかは、すごく大事なことです。
自分の置かれている状況を把握するんです。うまく利用するんです。
それができた者が、勝者になれます。