ちくま学芸文庫の『五輪書』の感想です。
大事な場面に
生活の中で、仕事の中で、大事な場面があります。そこにどんな気持ちで臨んだらいいのかを『五輪書』は教えてくれます。心を支えてくれます。日々の大事な場面の、心強い味方なんです。
無人島に持っていくなら
ぼくが今、個人的に一番気に入っている『五輪書』が、この五輪書 (ちくま学芸文庫)です。『五輪書』に魅力を感じて、長く読むようになったのも、この本に出会ったおかげだと思っています。『五輪書』はいくつも持っています。それぞれに良さがあります。もしも無人島に一冊だけ持っていくとしたら、これを選びます。
味わい深い翻訳
原文と現代語訳の両方が載っています。訳はわかりやすく、奥深く、読めば読むほど味が出ます。読みようによっていろいろなヒントが得られます。それが五輪書のだいご味ですよね。
とても気持ちいい
現代語訳を読んでいると、おおまかな意味が頭に入ります。その後、原文のほうを読むと、原文の意味がすらすらと感じ取れる瞬間があります。それがとても気持ちいいんです。
お手軽な文庫サイズ
持ち運びしやすい文庫サイズというのも読書欲をそそります。カバンにもポケットにも入れやすい。待ち時間でも喫茶店でも読める。『五輪書』は心の支えになる本です。いつでも身に付けていられるポータブル感がありがたいですよね。
五輪書を捨てる!
かといって、いつでも身に付けているのがいいわけでもないんです。
『五輪書』にとらわれすぎるのは、かえって『五輪書』の考えに反する気がするんです。
『五輪書』は、とらわれることを嫌います。
だから、肌身離さず持ち運べるサイズではあるけど、そう頻繁には持ち歩かない。とらわれない。捨てるくらいの気持ちで愛読する。
その距離感こそが、『五輪書』を本当に読むということなのかも知れません。