宮本武蔵の『五輪書』地の巻(5)の現代語訳です。宮本武蔵といえば二刀流です。その本当の意味を、武蔵が語っています。
わが流派を二刀流という
武士はいつも2本(二振り)の刀を身に付けています。
「せっかく2本あるんだから2本とも使おう!」というのが、わが流派のスタンスです。
そこで、わが流派を二刀流と名付けます。
せっかくあるのなら使う。
使わないともったいない。
命をかけて戦うときは、道具を残さず役立てたいものです。
二刀流だからといって、かならずしも2本を同時に持って戦うわけではありません。
だって、そんなことをしたら戦いづらいじゃないですか。
二刀流の真意は、2本を同時に持つことではありません。
1本の刀を片手であつかえるようにすることです。
右手に1本、左手に1本をもって練習をすると、片手で刀をあつかえるようになります。
そのための二刀流なんです。
よく刀は両手で1本を持つべきだといわれます。
でも、そんなことはありません。
刀は片手で持つものです。
たとえば、馬に乗っているとき、走っているとき、そして沼地や人ごみ。
どれも片手で持った方が動きやすいです。
刀は両手で持つべきだという常識にとらわれず、片手で持ちましょう!
そのほうが便利だから。
それから、
刀は速く振ればいいというものではありません。
詳しくは、水の巻で書きますね。
刀の長さも、関係ありません。
長い刀でも勝ち、短い刀でも勝つ。
それがわが流派です。
今ここでは詳しく書きませんが、一をもって万を知る。
うまくいく道理にそえば、いろいろなことが見えてきます。
がんばりましょー。