宮本武蔵の『五輪書』には、名言がいっぱいです。今回も地の巻からいくつか抜粋させていただきます。
「剣術だけをマスターしようとすれば、剣術さえもマスターできません」
『五輪書』地の巻(1)より。自分がたずさわる分野だけに閉じこもるのではなく、いろいろな世界にアンテナをはることが大切なんですね。
「道具は他人のマネをせず、自分にあったものを選びましょう」
『五輪書』地の巻(7)より。道具という言葉を、ほかのものに置き換えて読むこともできますね。
「どんなものにも、タイミング、流れ、呼吸、機微といったものがあります。それを無視してはいけません」
『五輪書』地の巻(8)に書かれていることの、ゆるい現代語訳です。武蔵はこうしたタイミングや流れのことを「拍子」と表現しています。