宮本武蔵の『兵法35か条』のゆるい現代語訳です。今回は第5条「歩き方」と第6条「見方」を訳してみました。
第5条 歩き方
戦いのときの歩き方は、その時々でいろいろあります。
歩幅が大きかったり、小さかったり、速かったり、遅かったりと。
でも、基本的にはふだんと同じように歩くようにします。
NGな歩き方は、飛んだり、浮いたり、踏み据えたりする歩き方です。
そーっと歩いたり、テンポが合わない歩き方もダメです。
どんなに足場が悪いところでも、きちんと歩くようにしたいものですね。
第6条 見方
戦いのときにどこを見るかは、むかしから諸説ありますが、だいたい顔を見るようにします。
ふだんよりも少し目を細めて、穏やかに見ます。
眼球は動かしません。
目の前の相手を見るときも、まるで遠くのものを見るように見ます。
そうすれば、相手のワザや周辺までも見通すことができます。
ものの見方には「観」と「見」の2つがあります。
「観」は遠くから全体像を見ること。「見」は近くを細やかに見ることです。
本番では「観」の目を強く、「見」の目を弱くします。
こちらの眼の動きから、相手に思惑を悟られることがあるので気を付けましょう。
集中する気持ちは、相手に悟られやすいです。
ゆったりと広くかまえる心は、悟られにくいです。
よく研究したいところですね。