宮本武蔵は江戸時代のはじめに活躍した剣士です。
連戦連勝だったとも言われています。
武蔵がきわめた剣の道。
それを後世に残すために記されたのが『五輪書』です。
『五輪書』は強くなるための本ではない
無敵の剣豪が書いた、剣の本。
そう聞くと、強さを追求した本に思えるかもしれません。
でも『五輪書』は、強くなるための本ではありません。
力強さは、あまり重視されていません。
むしろ「強ければいいというものではない」
という意味のことが書かれています。
武士が「勝つ」ための本
では、『五輪書』は何のために書かれたのか。
勝つためです。
強いことと、勝つことは違います。
強いから勝てるわけではありません。弱いから負けるとも限りません。
強かろうが、弱かろうが、勝つことが大事。
それが『五輪書』です。
武士のテーマは「勝つ」こと
では、なぜ武蔵は勝つことにこだわったのか。
それは、勝つことが武士のテーマだからです。
武蔵はこう言っています。
「世間では、いさぎよく命を捨てるのが武士だと思っている人もいます。それは違います」
「武士の役割は、命を捨てることではありません。勝つことです」
武士の役割は、勝つこと。
だから武蔵は、勝つことをテーマにして『五輪書』を書きました。
ぼくらは武士ではない
ぼくらは武士ではありません。
かならずしも勝つことをテーマにしなくてもいいんです。
自分なりのテーマで読んでOK
人それぞれ、やってみたいことや、こだわってみたいことがあります。
人それぞれに、自分なりのテーマがあります。
ひとつの道は、ほかの多くの道にも通じるものがある。
それが武蔵の考え方です。
『五輪書』で示された道は、ほかの多くの分野にも通じます。
強くあるより自分らしく
『五輪書』を通して、人それぞれが自分のテーマを追求する。
そんな感覚で『五輪書』を読むのが、ぼくは大好きです。
『五輪書』の一文一文がとても身近に思えてきます。
『五輪書』は、強さを求めた本ではありません。
それぞれのテーマを求めるための本なんです。
強くあるより、自分らしく。