宮本武蔵は若い頃、関ヶ原の戦いに参加しました。じつは、西軍として参加したのか、東軍として参加したのか、説がわかれているそうです。
吉川英治の『宮本武蔵』
ぼくはてっきり、武蔵は西軍だったとばかり思っていました。
宮本武蔵のイメージを決定づけた国民的小説は、吉川英治さんの『宮本武蔵』です。
その武蔵は、西軍でした。
吉川英治さんの『宮本武蔵』は、関ヶ原の戦いの直後からはじまります。西軍に参加して、敗北して、武蔵がボロボロになったところから物語がスタートします。冒頭から、すごく印象深いシーンでした。
津本陽の『宮本武蔵』
津本陽さんの小説『宮本武蔵』を開いてみると…。
この作品でも、武蔵は西軍として関ヶ原の戦いに参加しています。「宇喜多軍の前衛八千人」の中にいたことになっています。
司馬遼太郎の『宮本武蔵』
司馬遼太郎さんの『宮本武蔵』はどうでしょう。
こちらも、武蔵は西軍として関ヶ原に参加しています。
津本陽さんの『宮本武蔵』とおなじく、西軍の主力・宇喜多秀家の軍勢にまじっています。
宇喜多秀家の直属の軍ではなく、宇喜多秀家の重臣・新免伊賀守の軍です。
司馬遼太郎さんは上の長編小説のほかに、短編小説の『真説宮本武蔵』も書いています。
こちらでも、武蔵は西軍です。
直木三十五の『宮本武蔵』
直木賞で有名な、直木三十五も『宮本武蔵』を書いています。こちらの武蔵も西軍です。やはり宇喜多秀家の勢力として、関ヶ原の戦いに参加しています。
直木三十五の『宮本武蔵』は、いろいろな作家の剣豪小説をあつめた短編集『剣聖』におさめられています。
100分 de 名著 『五輪書』のテキスト
先日買ったNHK「100分 de 名著」の『五輪書』のテキストでは、東軍説がとられています。
これは小説ではなく、宮本武蔵の書いた『五輪書』を読み解くためのテキストです。
そこには、こう書かれています。
(武蔵は)九州で東軍側だった黒田官兵衛の下で豊後(大分県)の合戦や城攻めに参加していたようです。
おぉ…! 九州! 東軍!
関ヶ原の戦いは、岐阜県で起きました。そのとき同時に、九州でも東軍と西軍にわかれて戦いが起きていました。武蔵は九州にいた、しかも東軍で、という説ですね。
西軍か東軍か
そういえば最近読んだ本でも、武蔵には東軍説と西軍説があると書かれていました。本のタイトルは忘れました(笑)
個人的な体感ですけど、小説はほとんど西軍説のような気がします。
勉強不足のせいか、武蔵が東軍として関ヶ原に参加する小説は読んだことがありません。
きっと、どこかにそういう小説もあるのでしょうね。いつか出会えるといいな♪