あーりーです。
宮本武蔵の『五輪書』は、むかし秘伝だったそうです。
秘伝の書。
たまに歴史モノの小説やドラマに出てくる言葉ですよね。
選ばれた人たちしか手にできないというアレです。
秘伝とされた『五輪書』
『五輪書』を書いた武蔵本人は、『五輪書』を秘伝にするつもりはなかったそうです。
武蔵の死後、『五輪書』は弟子たちによって秘伝の書とされました。
NHKのテキスト『宮本武蔵 『五輪書』 2016年5月 (100分 de 名著)』によると…
『五輪書』は、弟子たちによって
五巻に分けられ、免許の代わりに順番に授与されるようになって、流派の中だけで、秘伝として受け継がれていた
といいます。
今は誰でも読める
その秘伝の書が、今みたいに誰にでも読めるようになったのは、明治維新のあとだそうです。
『宮本武蔵 『五輪書』 2016年5月 (100分 de 名著)』には、次のように書かれています。
熊本の武蔵顕彰会が、二百六十年余りも秘伝書となっていた『五輪書』を初めて刊行
260年以上も秘伝の書として受け継がれてきたものを、ぼくらは今読んでいるんですね。
なんかスゴイです。
一流の戦士は何を考えて戦っていたのか
『五輪書』を読んでいつも思うのが、戦士の頭の中がこれほどハッキリと書き残されているのは、貴重だっていうことです。
歴史上の人物を見てみると…
政治家や思想家や作家は、自分の考えを書いた本をけっこう残しています。
それに比べると、戦士はあまりそういう本を残していないと思うんです。
ぼくらは、歴史上の政治家とか思想家の書いた本を読むことで、
なるほど~。この人はこういう考えで仕事をしてたのか。このへんが他人と違っていたから、歴史上で目立ってるのか~!
と知ることができます。
でも、戦士とか兵士の場合って、それを知るのが難しいんですよね。
考えが書き残されていないから。
その人の頭の中にあったものが、文字として伝えられていないんです。
歴史に名を残した一流の戦士が、なぜ一流たりえたのか。
ほかの戦士と何が違ったのか。
そういうことが書き残されている本が少ない。(政治家や思想家、作家に比べると、少ない)
宮本武蔵の『五輪書』は、戦士の頭の中が覗ける、数少ない本のひとつです。
しかも、かつては秘伝だった。
それをぼくらは今、書店でいつでも手にすることができる。
すごいことですよね。
この本はむかし、秘伝の書だった。
そう思って『五輪書』を手に取ると、不思議なロマンを感じます。