このブログでは、宮本武蔵の『五輪書』のゆるい現代語訳を載せています。
『五輪書』は武道の本です。
でも、ぼくは武道をやりません。
だから『五輪書』を武道の本として読むことはありません。
どちらかというと、「人間関係」とか「心の持ち方」とか、そういうことにあてはめて読んでいます。
剣の長さに固執しない
宮本武蔵は『五輪書』の中で、長い剣に固執する気持ちにダメ出しをしています。
ざっとその内容を書くと…
「長い剣はたしかに有利な場合も多いけど、どんな場合も長ければ有利っていうわけじゃない。長い剣さえあれば勝てる、っていう気持ちがあると、失敗しますよ」
みたいな感じです。
笑顔に固執しない
上の武蔵のことばを、「人間関係」にあてはめてみます。
人間関係で笑顔は大切だとよく言われます。たしかにそうですよね。大賛成です。
でも、何でもかんでも、いつでもどこでも笑顔ならOKってわけじゃありません。笑顔がふさわしくない場面もあります。悲しい場面、真剣な場面、深刻な場面などなど。そんなときにまで笑顔に固執していると、変なことになります。
ポジティブ思考に固執しない
武蔵のことばを、「心の持ち方」にあてはめてみます。
よくポジティブ思考は大事だといわれます。たしかにそうです。これも大賛成です。
でも、何でもかんでもポジティブに受け止めてばかりだと、ものごとの本当の問題点から目を背けることになります。
あと、ポジティブな言葉で自分の苦しみをごまかして、知らず知らずのうちに心に負担をためこんでいることにもなります。ポジティブ思考はたしかに大切ですけど、それも度がすぎると良くありませんよね。
こんなふうに…
『五輪書』に書かれていることを、「人間関係」とか「心の持ち方」にあてはめて読んでいます。
すると、武道をやらないぼくにも、しっくりくる内容がたくさんあります。
『五輪書』は読み方次第で意味が無限に広がるふしぎな本です。