風の巻(序文)
宮本武蔵です。
世の中には、わが流派のほかにも、
いろいろな流派があります。
この巻では、
ほかのいろいろな流派について
触れてみようと思います。
他流を知ってこそ、自分流が確立できます。
さて。
ほかの流派には、どんなものがあるでしょう。
長い刀で戦うことを
売りにしている流派もあれば、
短い刀で戦うことを
売りにしている流派もあります。
または…
2人一組で練習するときの
バリエーションの多さを売りにしている流派もあります。
でも…
私から言わせて頂くと、
これらの流派は、どれも真実の道ではありません。
武芸を「飯のタネ」「売り物」と考えています。
世間へのウケがいいように、飾り立てているだけです。
刀の振り方、身のこなし方など、
細かいテクニックのほかに、
もっと大切なものがあるはずです。
この巻では、
わが流派とほかの流派のちがいに注目します。
そうすることで、
わが流派の特徴をよりハッキリと
お伝えできれば幸いです。
では、「風の巻」のはじまりです!
よろしくお付き合いください。