宮本武蔵の『五輪書』の現代語訳。きょうは風の巻(1)です。
刀は長ければ強いのか?
「刀は長いほどいい」
という流派があります。
私に言わせて頂くと、
それは弱い流派です。
その流派の
一体なにがいけないのか?
長い刀がダメなわけではありません。
長い刀さえあれば勝てるという、
片寄った考え方がダメなのです。
敵と組み合うほどの接近戦では、
長い刀は役に立ちません。
短い刀や素手のほうが、
ずっと役に立ちます。
狭い場所で戦うときも
同じです。
長い刀だと、
満足に振ることさえできません。
けっして
長い刀がいけないのではありません。
長い刀にむやみにこだわる気持ちが
いけないのです。